●新規アイドレス:施設●
●燃料生産地●
燃料生産地(施設) *毎ターン燃料+15万tされる。
●序文
「これヤバイですよねー」
「ヤバイなんてものじゃないですねー」

FEGの死闘後、国蔵燃料タンク残量メータ見つつ、ある吏族達の呟き。

※本作品はミニイベント「ブラック恋人探し」やFEGの死闘【】の後日談としてもお楽しみいただけます。
●第一幕:燃料を探せ!
 フィールド・エレメンツ・グローリーはにゃんにゃん共和国屈指の工業大国であり、戦闘国家である。国の奥へ進めば、そこはアイドレス工場であり、原素子女史と整備士有志による人型戦車の開発が行われ、サイボーグ達の強化、新型ウォードレスの開発が日々執り行われている。
 一方戦場に出れば、I=Dを駆り、ウォードレスダンサーが走り、舞う。そんな国に必要不可欠で、開発が急がれているものがあった。燃料生産地である。

 FEGの歴史を紐解けば。現藩王、是空とおる氏が現れるまでは、砂漠と天災から国民は身を寄せ合って耐えてきた国である。
 今でこそ交易路が整備され、巨大な港を作られ食料確保が安定して行われているが、是空氏による国土開発が行われなければここは痩せた土地である。ここにこの国の生命線となる燃料があるとは思えなかった。

 しかし、可能性が見えたのは、国の任務で国民達が塔の下を調査に行った時である。あるとは考えられていなかった燃料がみつかったのである。それも、本当に意外な場所から。てっきり蜃気楼か何かの幻と考えられたのだが、持ち帰ってみると、それはまぎれもなく燃料であった。ここから、開発が始まった。
(ターン1:冒険「ブラック恋人探し」参照)

 さて、その開発地で汗水流して開発に取り組んでいる国民たちがいる。
 灰色の髪が汚れるのを無視し、本来は日除けであるはずの服をまくりあげて油田開発に熱をあげている。

 本来なら機械を使って作業にかかればいいものを、作業の場が塔の下、非常にデリケートな場所である。(たまたま調査に参加していた国民が気付かなければ見つからなかったような場所なのだ)当然、崩れてくる恐れがあるために、昔ながらの手作業で開発をせざるを得なかったのである。

 そもそも燃料自体の発見は珍しくないのだが、大量生産できるだけの燃料となると、開発が困難と言われるのが燃料生産地である。燃料とは、太古の生物が圧縮されて液状化されたと言うものである。この痩せた地ではここしか、可能性がなかったのである。


 数々の戦闘により、手作業頼りの作業は大幅に遅れていた。怒鳴らなければやっていられないというのがこちらの作業員の心情だったのであろう。

 そして、燃料は産出されず、無情にも戦いはさらに連戦、疲弊戦と化していく。

/*/

 そこに、もうひとつの光明が差した。
 後にFEGの死闘と呼ばれた国土防衛戦である。

 この戦闘にて発生した砂漠での大爆発(絶技:ワール・プーギスー)。
 かつて他世界にて死の都しか生み出さないと忌み嫌われたその絶技は、FEG砂漠地帯の地層をはるか深くをえぐり取り、驚くべきことに少量の燃料を露出させた。

 ここにFEG燃料採掘部は新たなる可能性を見出したのである。

 なんのことはない、政庁城と砂漠の燃料産出ははるか地中にて繋がっていたのである。
 あまりに地下すぎて、地下工房の開発などにもひっかからず、現在までひっそりと眠り続けていたのである。

 そう、FEGを滅亡の危機に追い込んだあの戦闘は、終ってみれば救世主を運んできたのである。

/*/

 現場作業員たちも一時期は熱意を取り戻し、心機一転して砂漠での燃料生産地の開発に着手した。
 政庁城地下よりかは重機もI=Dも使用できる。

 作業は多少楽になるかに見えた……が、今度は砂漠の熱・砂が襲い掛かってきた……。
「もう、燃料出ないんですかねぇ・・・・・・」

 作業員の一人が言った。あれから大量の戦闘に、動員令による燃料提出。

 国に残った燃料はわずかだった。焦りがにじみ出るのが人情と言うものである。

「何言ってるんだ!! 燃料は出る!! 諦めるな!!」

 作業員の一人が怒鳴った。
開発に苦戦するFEG国民たち
画:とよのか苺
第二幕:新たなる救世主その名は!
 作業現場からやや離れた、作業員の簡易休憩所。
 うだるような暑さの中、疲労と絶望感に打ちひしがれた作業員達がグッタリしていた。

 開発が始まって随分日が経ったが、未だ燃料は出ていない。弱い地盤による掘削作業の難しさ、西国特有の厳しい暑さ、何より、予定されていた深度を過ぎても、まだ燃料は出ていないのだ。

 終わりが見えず、開発中止もささやかれている現状が、さらに現場作業者たちの精神を蝕んでいた。
 机に突っ伏した作業員の男が、誰と無く呟いた。

「…もうダメかねぇ」
「そんなことはない!」
ドバァン!!

 木製のドアが跳ね飛ばされ、逆光を浴びながら二人の男が休憩所に現れた。どちらも覆面を被っている。ドアを蹴飛ばしたと思しき方が、続けて叫ぶ。

「私達が来たからにはもう安心!必ずや燃料ドバドバ出してみせよう!」
「あのー…、普通に手伝いましょうよ」

 一歩引いて立っていた宮廷服の男が控えめに呟くと、そのまま口論を始めた。
 あっけに取られていた作業員たちだったが、そのうちの一人が思い出したように呟く。

「あんたら政庁城で見た気が…。たしかどっちも たかn―――」
「さぁ諸君!作業再開だ!苦しいでしょうが、共に頑張りましょう!」

登場! その名も……誰?
ヒント「小○遊」と「ひ○ひ」
画:高渡
口論をピタリと止め、威勢の良い方が再び叫ぶ。宮廷服の男も、手を叩いて作業員達に外に出るよう促す。

「さぁ、ここからは私達もお手伝いします。もうひとがんばり、お願いしますです」

 促されて作業員達が外に出てみると―――
 数十人の政庁城メンバーや猫士達が、開発現場に集まって作業を始めていた。
 掘削作業をしてる人達、不安定な地盤での作業に耐えうる新型工作機械を搬入する人達、地質調査を再度検討している人たち。

「戦闘続きで、こちらに人手を中々出せなくて…やっと手配が出来ました。これで一気に開発を進めてしまいましょう」

 活気の戻った作業現場を見て、生気を取り戻し、沸きあがる作業員たち。
●第三幕:完成せよ! いい感じ燃料生産地!!
 かくして。それまでとは比較にならないスピードと効率で作業は進み。夜を徹して作業は行なわれ。そして翌日―――。
 
 岩盤の下、気化した燃料を吸い出す為のパイプが通され、空高く向けられたパイプの先端に、火が灯った。それこそが、燃料に行き着いた証である。
 手を取り合って歓喜し、小躍りする国民達と作業員達。
「さぁ、開発はまだ終わってませんよ。引き続き、油田施設建造に着手します。各員作業を開始して下さい」
 現場責任者と思しき人が声を掛け、喜ぶ間も惜しんで作業は続行されていく。

 そして。それから暫くの後。掘削現場には大掛かりな油田プラントが建設され、FEG市街から外れた、人気の無い砂漠地帯(※要点:人里離れた自然)には、産出された燃料を精錬する精錬所(要点:精錬所)が建設された。

 かつての大燃料消費国家が、燃料産出国家として生まれ変わったのである。
ついに完成した燃料生産地
画:一井号太
名称:・燃料生産地(施設)
要点:・油田・精錬所
周辺環境:・人里はなれた自然

画:とよのか苺/高渡/一井号太
文:金村佑華 /小鳥遊敦/是空とおる
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