●イベント81 偵察機迎撃戦●
●防空ミサイルシステム●
新型地対空誘導弾「穿空(せんくう)」
イラスト:あやの
●穿空設定資料

■性能諸源

 ■全長 5.3メートル(加速補助ブースター含むと6.2メートル)
 ■全幅 45センチ(本体が三角柱型なので一辺の長さになる)翼を含むと最大全幅49センチ
 ■重量 7821キログラム(通常対空用弾頭時燃料最大積載)
 ■射程 280キロメートル以上(加速補助ブースターを使用すると射程340キロメートルまで延長可)
 ■最大迎撃高度 130キロメートル(加速補助ブースターを使用すると150キロメートル)
 ■最大速度 マッハ8.5(ブースター使用時約マッハ9.2)
穿空図案
イラスト:さるにぁ
 誘導方式 弾頭部周辺フレームにECM対策とハッキング対策を施したレーダー素子を埋め込んで搭載したアクティブフェーズドアレイレーダー(レーダー素子を基礎フレームや外板に分散配置することにより機体構造材をレーダーとしたもの)を使用するアクティブレーダー誘導、ジャイロを利用した航法誘導式、赤外線受像機とカメラセンサーを利用したイメージ誘導方式、地上からのレーダーデータを利用したデータリンク方式の計4つ誘導方法を適宜組み合わせて行う。

 ■推進機構 スクラムジェットエンジンと固形燃料(低煙HTPB:末端水酸基ポリブタジエン使用)式ロケットエンジン
 ■追加装備 高速目標を狙うときなどに加速補助ブースターを使用する。これも固形燃料(低煙HTPB:末端水酸基ポリブタジエン使用)式ロケットエンジン
 ■弾頭オプション 通常対空用炸裂式弾頭 多目標対空迎撃用拡散弾頭 対質量兵器用貫通式炸裂弾頭 低空迎撃用気化燃料爆裂弾頭
 ■最大同時対応可能標的数 無制限(ミサイル間データリンクにより各個重複しないように目標を決めることができるから)
●開発経緯

 急遽判明した敵偵察機の襲来に際し、対空兵装自体が滅多に必要なものではなくいきなりの開発要請に戸惑いを隠しきれていなかったが急遽開発の必要に迫られ開発したミサイルである。しかしそれでも非常に特徴的で高性能なものが開発できたのはある種の僥倖であるといえよう。
 
 その特徴は以下に記す

 特徴

 1・形状
  穿空の形状はミサイルでは非常に珍しい三角柱型である。この形になった理由としては
  一つ 揚力の増大〜地面に底面を向けることによりリフティングボディとなるため滞空性能向上による射程距離延長が可能となった
  二つ 格納場所の確保〜翼を折りたたんだ状態なら隙間なくランチャーに詰めることができる
  三つ 構造の単純化による生産性の向上〜生産工程の多い円柱型のミサイルに比べてより製作工程の少ない直線部分の多い本体となったから。

 2・射程
 通常の対空ミサイルは最高到達高度が120キロメートル程度であったが穿空は通常状態でもそれを10キロメートルも上空、高度130キロメートルまでの敵機も迎撃できるように作られた。これに関しては通常の固形ロケットだけではなくその補助に加速性に優れたスクラムジェットエンジンを採用したことにある。
 スクラムジェットエンジンとは通常のジェットエンジンと違い吸気、圧縮、燃焼、を全て超音速状態で行い推進用噴射ガスさえもで超音速状態で噴射して爆発的な加速を得るというエンジンである。
 しかしエンジン作動が可能な速度域が最低でも音速以上であるため発射時は固形燃料ロケットを使用し音速を突破した時点でエンジンを点火最大加速に移るというような用法となる。
 だがスクラムジェットエンジンはマッハ5程度の速度域から理論上の最高速度であるマッハ15までの幅広い速度域で使用が可能である。
 燃料については普通のジェットエンジンはケロシンやJP4(航空燃料の一種)を使用するが。スクラムジェットエンジンは水素を利用する。

 3・加速補助ブースター
 そもそもこの装備は大気圏上部から進入してくる敵に対して迎撃射程距離を延長するために開発されたが後にミサイル到達の時間短縮のために使用されることが決まったものである。これは主推進装置のうちの一つ固定燃料式ロケットモーターと同じ構造を持ったものである。しかしこれを使用することによりミサイル自体の運動エネルギーを上げて下記の対質量兵器弾頭の効果を確実とすることにもなった。
 
 4・多彩な弾頭オプション
 穿空はさまざまな防衛戦闘にも対応するために四つの弾頭が準備されている。
 A 通常対空用炸裂式弾頭〜これは通常の対空ミサイルと同じで目標近くにて近接信管作動・自爆それにより発生したフラグメント(弾頭破片)にて目標を撃破するもの
 B 多目標対空迎撃用拡散弾頭〜これは小目標が大量に集団で襲撃してきた場合が高速で移動し誘導が間に合わない場合に使用する弾頭である。発射後目標に接近した時点かあらかじめ地上からプログラミングした空域にて弾頭部を展開、赤外線イメージ誘導式の高機動型子ミサイルが個別に誘導を開始して敵を捕捉・撃墜するか一定間隔で展開し散弾銃のような使用法も可能。
 C 対質量兵器用貫通式炸裂弾頭〜これは対アウドムラ対策として開発されたものである。弾頭部は二段式構造になっており一段目に貫通用鋼材の入った貫通部二段目に高性能爆薬が詰め込まれた炸裂部である。これにより一段目で敵内部に貫通して二段目が敵内部で起爆敵内部での爆発による内部圧力の上昇により敵を内側から破壊することができる弾頭である。
 D 低空迎撃用気化燃料爆裂弾頭〜これは低空を匍匐飛行で侵攻してくる敵部隊に対し使用するものである。気化した燃料を振りまきながら敵部隊中央部に突入し起爆。大気圧の変動により敵を墜落または損傷させるためのモノである。

 捕捉:これらの弾頭は地上使用も可能である。一はそのまま直撃させるなどの方法。二も小弾頭ディスペンサー代わりに使用して対地制圧に使用可能。三は敵機甲兵器など強度のある敵に使用する。4は広範囲殲滅用に使用可能です。

 5・運用

 穿空は高空迎撃を主目的として開発され、本来なら対空誘導ミサイルは地上レーダー基地からデータを利用し目標へ飛行するがFEGでは地上レーダー基地がなく自己完結型の兵器が望まれたため自らの機体に搭載されたレーダーを使用して誘導する。
 発射シーケンスを段階順に書くと以下のようになる。
 第1段階〜迎撃用弾頭と加速補助ブースターの有無を管制官が選択しあらかじめミサイルを誘導する目標の情報(速度や高度と位置座標それに大きさも指定できる)を入力しておく。これは管制官が随時変更可能。しかし発射後指定空域でレーダーなどを作動させ目標を捕捉させる方法もある。
 第2段階〜警戒体制に上昇しスタンバイが許可されるとVLSランチャー(垂直発射装置)のハッチが展開ミサイルの弾頭部がハッチからせり上がってくる。そうしてレーダーを起動させることにより障害物のない開けた地形か高い場所なら地平線までをレーダーで監視が可能となる。
 第3段階〜レーダーで目標に該当するものをキャッチした場合目標の数だけ自動的に発射される。(ちなみにこの時ミサイルの間でデータリンクを行うので一つの目標に多数のミサイルが当たることはない)そのまま目標に向けて最大速度で飛行を開始。
後はセンサーをフルに使用して目標を捕らえ続け搭載された弾頭に応じ入力された弾頭作動方式で迎撃を行う。
 第4段階〜命中が確認された場合は管制官からの操作がない場合そのまま警戒態勢を維持するが失敗した場合のために常に予備のミサイルが発射をスタンバイしている。
設定文章:藤野俊彦
発射される穿空
イラスト:とよのか苺
ミサイルを設置する場所は
国内I=D工場4箇所。

飛行場、巨大港、政庁城、農業地帯、砂漠にある燃料生産地を
守れる位置にある他、I=D工場の自衛もかねている。

また飛行場のレーダー監視防衛システム
(パイロットアイドレスより URL)と
I=D工場のネットワークシステムの連携により
即座の対応、目標のリンクなどが可能である。

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