予兆検知(異常診断)システム

序文

 このシステムは、設定国民や他NPCによるTLOの使用を早期に発見し、TLO使用による問題が深刻化する前に停止させるためのものである。  TLOの一般対策としては、法規制によって原則禁止するなどの措置がとられ、基幹技術のブラックボックス化によるセキュリティの強化が行われるが、どんなに強固なセキュリティであってもいつかは破られる。
 その前提にたって、もしセキュリティが破られた場合、すばやく破られたことを察知し、被害を最小限に抑えることを目的とする。

 このシステムにおける予兆というのは、TLOが活動を始めて問題が起こる"予兆"と検知するという意味であり、異常診断というのは、藩国の異常状態の原因を診断するという意味である。
 どちらもTLOの発見のためには必要不可欠であり、この2つは基本的に同じデータ・同じシステムをベースに行われるので、基本的には同じ意味であると考えてもらってかまわない。

 厳密にいえば、予兆を検知したあとデータを精査し、異常の診断を行うのだが、このあたりはどこまでが予兆検知でどこからが異常診断なのか判別をつけられないことが多いため、現状は同一のくくりとして捉えられている。

予兆検知(異常診断)システムの基本理念

 最初に、このシステムはTLOが使用された場合即座に発見する、とあるがこれはどのようにして行われるのかを説明する。

 TLOとは、高度な技術であり、その技術は通常我々が使用する状態とは違う状態を生み出す。
 それはリューンの異常消耗を始めとして、異常な速度であったり、異常なほどの発展であったり、異常なほどの人口増であったりと枚挙に暇がないが、どれも共通していることは【通常と違う】ということである。

 つまり【通常の状態】を記録しておき、そこから一定以上に逸脱すれば、それは異常ということである。この異常を検知するのが予兆検知(異常診断)である。

 OTeCSによるテックレベルチェックとブラックボックス化によるセキュリティに加え、この予兆検知(異常診断)システムを使うことにより、TLOの不正使用に対して二重・三重の保全を行う。
 また、過去のデータからTLOが使われた場合のデータの変動(リューンの変動や、人口の異常増加など)を記録し、異常が発生した際の診断に使用、原因の特定に活用する。
 この診断データを日々蓄積していくことで、過去に起こったことであれば即座に異常を判断でき、模倣犯が活動を起こした場合など、即座に対応できるようになっている。

新技術テストシステム

 このシステムを応用することで、新規に開発された技術及びオブジェクトを本生産前にデータ上でテストすることが出来る。
 これにより、万が一OTeCSによるテックレベルチェックを漏れてしまったTLO技術があったとしても、その漏出を未然に防ぐことが可能である。

データシステムについて

予兆検知のためのデータは、文殊に各国吏族から送られてくるデータとISS、OTeCSに寄せられるデータから総合的に判断される。
 文殊とデータリンクした部屋がOTeCSに設けられ、そこに毎日吏族や金庫番が入力したデータが表示される。データは過去10日分のデータと比較した結果が各国ごとにモニターに表示され、そこで異常が検知されれば赤い文字でエラー内容が表示される。

日報以外の異常検知パターン

 TLOによる影響は突然発生するものばかりではなく、月単位、あるいは年単位で徐々に進行する場合もある。
 要注意国は月報という形で次ごとの波形を分析し、研究されている。

異常が検知されたら……

 異常が検知された場合、過去のデータと同じパターンであれば、OTeCSを通じて宰相府、あるいは大統領府に第一報が送られ、その後、対策が必要であればその対応要員が派遣される。
 場合によっては、監視室のとなりに対策室が設置されフィーブル新聞社からの情報収集や、記者の派遣も行われる。

なぜ各国別にデータを集積するのか

 一口にTLOのためのデータといっても、各国の技術・理学レベルには差があり、画一的な判断は出来ない。そのため、ある藩国では誤差の範囲内でも他国では異常と判断される場合もある。
 また各国ごとに政策もかわり画一的な判断はできないため、各国ごとに最近10日分のデータとの比較が時間単位で行われ、また1年前、3年前のデータとも日ごとに比較されている。

監視体制

 監視センターは24時間稼動しており、三直制のシフトが組まれている。
 状態異常を判断する監視官長が1人と、その直轄におかれる三人の監視官が配備されており、室内には宰相府・大統領府とのホットラインと各国上層部への連絡網が掲示され、緊急時には即座に出動できる態勢がとられている。

データ・セキュリティ

 各国の状況データは、目的外使用が出来ないよう厳重なセキュリティの元で運用される。
 データは専用回線(電子的にそれ専用に設定された回線)で送付され、越前藩国協力の下、強力な暗号化がほどこされている。
 このため、データ盗難が発生したとしても、無意味な文字の羅列のように見えるよう設定されている。

過去のデータの集積保存

 過去のデータはOTeCSの監視室に半永久的に保存される。  将来的に問題が発生したとき「どこで何がおこったのか」を分析し、役立てるためである。
 データの閲覧はOTeCS長官及び該当国首脳の許可制となっており、誓約書への署名と守秘義務が徹底される。

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